【新刊小説】大橋崇行『レムリアの女神 La Diosa del Lemuria』(未知谷)

2016/09/22

ライトノベル研究会のメンバーである大橋崇行が、新刊の小説『レムリアの女神 La Diosa del Lemuria』を、未知谷から刊行します。9月25日の発売予定となります。
Amazonのページ→ こちら

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表紙カバーのデザインは、防人さん(pixiv:http://www.pixiv.net/member.php?id=211515 )です。
今回はいわゆるライトノベルではなく、書店では「文芸(SF、ファンタジー、ミステリなど)」に並ぶことが多いと思いますが、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
【文責:大橋】


フランス語ライトノベル翻訳のその後(2016)

2016/09/18

ここのところ、ライトノベルの英語翻訳からアメリカのヤングアダルト小説の話ばかりしていて他言語の話は放ってありました。先日、何気なく紀伊国屋のフランス語書籍の棚の横を歩いていたら、ライトノベルを見つけてしまいました!『狼と香辛料』『ソードアートオンライン』『ダンジョンで出会いを求めるのは間違っているだろうか?』『ログ・ホライゾン』が並んでいます。

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そういえば、フランス語訳の有無を調べてから4年以上が経過しました。あのときは、かなり悲惨な翻訳状況だったのですが、さすがに状況が進んでようです。調べてみると、OFELBEというライトノベル専門レーベルが立ち上がっているではありませんか。現在、発刊も含めれば、

  • DANMACHI   -La Légende des familias  (ダンジョンで出会いを求めるのは間違っているだろうか)
  • Durarara!! (デュラララ‼︎)
  • Log Horizon (ログ・ホライゾン)
  • Spice & Wolf (狼と香辛料)
  • Sword Art Online  (ソードアート・オンライン)
  • The Irregular at Magic High School  (魔法科高校の劣等生)

の6シリーズが扱われています。フランス語訳なのに英語のタイトルだらけなのは少し不思議に感じられるかもしれませんが、フランスのオタク達の主流は、まず英語で情報を得ているということの反映なのかもしれません。(一部には、日本語を直接読んでいるオタクもいますけど、、)DANMACHIというタイトルが笑えますけれど、これも英語のオタクの世界でDANMACHIという略称が広がっていたからだと思われます。また、母国語優遇政策をとってきたフランスでも、最近は英語のタイトルをそのままにしてフランス語訳するケースが結構ありますから、無理してタイトルをフランス語に訳すことも無いのでしょう。

(実は、イタリアでもライトノベルの専門レーベルが立ち上がっているのですが、そのあたりの報告はローマで『僕は友達が少ない』のイタリア語訳をゲットしてきた大橋さんの投稿を待ちたいと思います。)

さて、ライトノベルの英語翻訳について調べていく中で突き当たった「ヤングアダルト小説という壁」については、今までの連載の中で何回か触れてきました。ごく大雑把にまとめれば、「アメリカのヤングアダルト小説の中には、ライトノベルっぽい小説は既にあったので、アメリカの読者にとってライトノベルはさほど目新しいものには映らなかったのではないか。特に、初期の拙い翻訳文では既存のヤングアダルト小説に対抗できなかったのではないだろうか」というものです。ライトノベルにしてもヤングアダルトにしても、消費文化の行き着く先は似たようなことになるのではないか、というのが私の抱いた感想でした。

で、この推測はフランス語の世界でも成立するんだろうか?というのが、私が以前から抱いていた疑念でもあります。フランスにしても消費文化の伝統はアメリカや日本などよりも長く、爛熟したというか腐った文化を培ってきたわけですから。ロマン・アドレサン(Roman Adolescents)という10代の若者向け小説市場というのも成立しています。このあたりは、言語能力の壁があって中々調べられないでいるのですが、ネットで引っかかった面白そうな事例を紹介しておきます。

 

“Un Amour de Geek”(オタクの恋)41eogjsnc6l-_sx349_bo1204203200_

もう、そのまんまのタイトルですけど、Amazonに載っていたあらすじも、タイトルそのまんまです。

「トーマスはオタクだ。彼はこれまで、実生活にうごめく不愉快なことを避け続けてきた: 退屈な学校ではフランス語の先生がうんたらかんたら。彼が抱えた問題は、彼が恋に落ちたエステルである。 彼女は馬の背に飛び乗り、森の中の光を愛し、旅することを夢見ている。コンピューターが大嫌いなエステルは、彼がスクリーンにもう近寄らないと誓わなければ彼とはデートしないという。」(一部翻訳できなかったので誤魔化しました。)

中身の文章は読んでいませんが、「自分の世界に引きこもっている男の子が活動的な女の子に引っ張り回される」というテーマは実にラノベっぽい。

“Blind Spot”(ブラインド・スポット)

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日本趣味の本だけを出す独立系出版社らしいのですが、このシリーズは舞台が東京で日本人の女子高生Ayakoが目の障害を乗り越えて声優を目指すというお話。マンガに見えるかもしれませんが、小説です。これを見ながら、フィリピンで見た「ラノベっぽい少女小説」を思い出してしまいました。この本をフィリピンの書店の少女小説の棚に並べて置いておいても、なんの違和感もなさそうです。

日本が舞台で日本人が主人公の小説がフランスで書かかれているというのは、不思議な感じがするかもしれません。でも、まあ、日本の少女マンガだって、70年代頃まではアメリカやフランスを舞台にして、アメリカ人やフランス人を主人公にした作品が量産されていた訳です。(そんな時代は知らないという人は、ぜひ萩尾望都全集を参照ください。できれば忠津陽子あたりの、笑ってしまうぐらいチープなアメリカ学園ドラマも読んでいただきたいと思いますが、入手は困難かもしれません。)文化的な思い入れが激しくなると、こうした現象も多々起こるということなのでしょう。ご存知のようにフランスにおける日本趣味は長く続いており、マンガの世界では10年ほど前にやはり日本が舞台で日本人が主人公(女子高生のKiyoko)の”Pink Diarly“(ピンク・ダイアリー)という作品が現れています。

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この2作の事例を見ながら考えるのは、文芸の模倣は案外に簡単だということです。面白いと思った文芸を模倣して、自国の中に取り込んでしまう貪欲な力とでもいうのか。考えてみれば、アメリカのコミック文化を取り込んで成立したのが日本のマンガなのであれば、それが更に他国に取り込まれて咀嚼されてもなんの不思議もない訳です。フランス人が日本のアニメやマンガで馴染んだテーマやプロットを、そのまま小説で書くことも起こるでしょう。前掲の『ブラインド・スポット』なんていうのは、そういう例だと思います。そして、そのうちにフランス流に咀嚼された小説が書かれても不思議はないし、もうすでに書かれているかもしれない。そのとき、すでにある(前掲の『おたくの恋』のような)ロマン・アドレッサン小説とどれほどの違いが見られるのかというのは興味深い論点だと考えています。

(報告者:太田)


ライトノベルのようなアリス

2016/08/31

前回の報告で、ライトノベルから撤退したと思われていたSevenSeas社が『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』をライトノベルの形式で出していたという話を書きましたが、先日何の気なしに調べてみたら、この話は昨年にネットに上がっていたし日本のアマゾンでも扱っていました。わざわざアメリカで見つける必要もなかったということで、報告者の不勉強を晒したということになります。だからという訳でもないんですが、実物を手にとって、もうちょっと詳しく紹介しておくことにしました。

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表紙はアニメ・マンガ風で、女の子の全身像。

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カラーの口絵が12ページ。

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本文の中に挿入されるマンガ風イラストもある。ということで、完全にライトノベルのフォーマットになっているんですが、ここであげたイラストは、オリジナルの『アリス』のイラストに対応していますね。『アリス』の挿絵で有名なのは初版のジョン・テニエルのもので、チェシャ猫だとかのキャラクターを決定づけた画家として有名です。テニエルの絵を収録している『アリス』を引っ張り出してきたのが、以下の写真ですが、同じ場面を絵にしているのが分かるかと思います。なお、英文はみた限り、オリジナルのまんまで、書き換えは無いようです。

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有名な、マッド・ティー・パティーの場面も対応していますけど、帽子屋がずいぶん若くてイケメンです。2010年の実写映画で帽子屋をやったジョニー・ディップが少し入ったんじゃないか、、、

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こんなふうにイラストの多くは、オリジナルの挿絵をマンガ風に書き直しているという印象を持ちました。もちろん、オリジナルにないイラストもあります。次の、穴に落ちて行くシーンはその一つですが、この構図は見覚えありませんか?私はどうしても思い出せないのですが、これが参照している(というかパクっている)絵が分かる方がいればお知らせください。

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さて、こういうイラストは誰が描いているんでしょう。イラストレーターの名前は裏表紙に書いてあったので、その”Kris Sisson”で検索してみたところ、フィリピンの男性(顔写真を見ると、結構おっさん臭いです)で、米国・フィリピン・シンガポールなどで活躍している人と知りました。

http://www.gunshiprevolution.com

http://isangkutsarangmoe.deviantart.com

http://www.pixiv.net/member.php?id=2858681

グローバルかつ、マイノリティからのリソース調達ということになります。米国における「日本風コンテンツ」の今後を考える上で、示唆的な事例のように思えました。

(報告者:太田)


アメリカの書店にて2016

2016/06/20

サンフランシスコに来たので、再びライトノベルやヤングアダルト小説の書店調査をやってみましたが、、、どうも街中の大型書店は片端から閉店してしまった模様です。個性的な書店は幾つも健在なんです。例えば、ビート文学の拠点になったCity Lights Bookstoreは今も健在で、本棚や飾ってある写真を眺めているのが本当に楽しくなる本屋ですが、ヤングアダルトの書棚はありませんでした。

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ビートの次に栄えたヒッピーの拠点になったヘイト・アシュベリー地区にも書棚が楽しい本屋がありましたが、グラフィックノベルは扱っていてもヤングアダルト小説の棚がない。

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やはり、ある程度の大型書店にならないとヤングアダルトの棚は設置されないのでしょうね。それがヤングアダルトの現状の位置というか市場規模なのではないかと思います。そして、そのような大型書店はどんどん潰れていき、サンフランシスコはその潮流の最先端を行っているということなのでしょう。

気をとりなおして、ジャパン・タウンの紀伊国屋書店に行きましたら、、、

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さすがにアメリカ西海岸における日本文化発信の拠点、日本語マンガがずらりと並び、アメリカのギーク(おたく)共が買い漁っています。そして日本語のライトノベルの棚もちゃんとあるのですが、英語で喋りながら、それらを抜き取ってはパラパラめくっているアメリカ人ギークたちの姿には、感慨深いものがありました。

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さて、「新着英語版ライトノベル」という棚もあったので、じっくり見ましたが、、、

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アメリカの学校はこの時期に夏休みに突入ということもあってか「夏の読書 メンバー20%割引」なんて紙まで貼ってありました。昔の日本の学生さんたちは夏休みに難しい本を読んだもんなんですが、、、

並んでいる本は、すでに一連の投稿でご報告したものばかりでしたが、ちょっとそこから外れたものもチラホラ。一つは菊地秀行が結構人気です。菊池に関しては、すでにVizメディアから”Another”が出ているのですが、『バンパイア・ハンターD』などのシリーズがDark Horse Booksというレーベルから出ていて、それがズラリと並んでいます。この5月に第23巻まで出ているらしく、成功したと言えそうです。

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このほかにも田中芳樹の『銀河英雄伝』があるし、VizのHaikasoruレーベルからも幾つか並んでいました。

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それも、『ハルヒ』と『デュララ!』の間に神林長平の本が並んでいたりするのです。IMG_9054

日本人の我々は、菊池秀行やHaikasoruから出ているSFやファンタジーをライトノベルには通常含めません。でも、アメリカ人読者はイラストの有無に関わらず、こういった小説をライトノベルとひとくくりにする傾向はあるみたいです。

また、Verticalという出版社が西尾維新の『傷物語』を出していました。DelReiで戯言シリーズを出して失敗した講談社は、新しい出版社でやり直しということなのでしょうか。

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もうひとつ驚いたのが、ライトノベルから撤退したと思われていたSeven Sees社が、『不思議の国のアリス』と『オズの魔法使い』をライトノベル化して出版していたことです!つまり、不思議の国のアリスのテキストをそのまま使って、アニメ・マンガ風表紙とイラストをつけた出版。日本からコンテンツを輸入するのを止めて、スタイルだけをもってきて英語の古典テキストをはめ込んだという本。

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実を言うと、マンガや小説は模倣が比較的簡単なので、コンテンツ輸入がある程度進むうちに、輸出先の自国産コンテンツがそれに取って代わるという事態もあり得るのではないかと思っていました。大塚英志などはかつて『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』で、まさにそういう説を展開したことがあります。手描きアニメについては、アニメーターの集団としての技術とそれを育む文化の膨大な蓄積がものをいう世界なので、模倣の障壁はかなり高いと私は思っています。ですから、私は大塚の意見には全面的には与しません。しかし、ディズニーアニメのキャラクター造形が日本アニメに似てきたこと(キャラクターの目や瞳が昔に比べてかなり大きくなっています)や、宮崎アニメの影響が随所に見られるようになってきたことは、よく指摘されていることです。マンガ(アメリカ流に言えばグラフィック・ノベル)の場合は、相変わらず日本マンガの絵柄は広まりませんが、コマ割りの展開などは日本マンガに似せたものが出回るようになりました。言って見れば、日本からの輸入コンテンツが現地化したというか、消化されてきているのです。

それらに比べ、小説(テキスト)の模倣はかなり簡単です。現地化はそれほど困難とも思えません。何しろ、アメリカにはヤングアダルト小説というマーケットと作品群と作家たちがどんと控えているからです。彼らが、いったん「これはウケる」と確信しさえすれば、日本のライトノベルっぽい作品はあっという間にアメリカナイズされるのではないでしょうか。

ところが、今回のSevenSees社の戦略は、テキストの現地化などというまどろっこしいこともやめて、テキストを古典から引っ張ってライトノベルっぽく仕立てるという強引なもの。成功するような気はしませんけれど、コンテンツの輸出入という観点から、面白い事例だと思います。

(報告太田)


タイの書店にて(3)

2016/05/23

前回紹介した、バンコクの大手書店ですが、マンガはあまり見かけませんでした。マンガ本と活字の本の間には、敷居みたいなものがあるのかもしれません。そのマンガですが、道端の露天商ではよく見かけました。一冊50バーツですから、日本円にして150円くらい。

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これが、ライトノベルになると169バーツであったりしますから、一気に3倍になります。マンガより小説の方が価格がかなり高いというのは、ライトノベルの流通を考える上では考慮に入れておくべき背景だと思います。

東南アジアの国々は日本のコンビニが浸透していますが、中に入ってみるとバンコクでも地方都市でも少女小説をよく見かけました。写真のように、女性向けロマンス小説と「ライトノベルっぽい少女小説」が必ず置いてあります。しかし、ここで翻訳日本マンガを見たことはありません。タイの一般書籍の流通と、翻訳マンガの流通の違いについてはどこかで考えておくべき問題のように思えました。

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なお、その少女小説の横に、お坊さんマンガがよく並んでいたのは、仏教国家タイならではの風景かもしれません。

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(報告:太田)

この記事は、JSPS科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究・15K12848「現代日本におけるメディア横断型コンテンツ
に関する発信および受容についての研究」/研究期間:平成27~29年度)の助成を受けた活動に基づいて執筆されています。


タイの書店にて(2)

2016/05/19
前回はアニメイトのバンコク店という、かなり濃い店の紹介をした訳ですが一般書店ではどうなっているのか。同じ地区の中のショッピングセンターには、幾つかの大型書店があるので、それらを訪ねました。
前回のフィリピンや多くの東南アジアの国とは異なり、タイは植民地化されたことがなく、近・現代を通じて王国が維持されたために言語もほぼ統一され、言語構成は比較的単純で書店の本はほぼタイ語です。(独自の言語を話す少数民族も残っていますけれど。)
B2Sという大手書店に入って、ティーン向けの棚に向かってみると、、少女小説が目立ちますねえ。
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翻訳ライトノベルの話は少し置いておいて、これらの少女小説を見ていると、フィリピン同様に大変にラノベっぽい。
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アニメ・マンガ風の表紙、カラーイラストページ、会話文の多さ、そういう観点からなんですが、なんとBLばかり集まった棚まであって平積みもいっぱい!
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この物量は一種壮観ですし、しかも店の中でもかなり目立つ位置にあります。タイの性規範が他国に比べて緩いということはよく言われる話ですが、それがこんな形でも現れているんだと、妙な感心をしてしまいました。
さて、少女小説をひとまず置いて、ティーン向け書籍を探査しているとライトノベルはやはり大量にありました。各レーベルが並んでいます。
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ここで、今回購入したライトノベルを上げておきますと、、、
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左上から右下にかけて、『僕は友達が少ない』『這いよれ!ニャル子さん』『Fate/Zero』『イリヤの空、UFOの夏』。日本で手に入りにくいレーベル(Luck)を2冊入れておいたという以外、ほとんど無作為のチョイスなんですが日本でも書店から消えたんじゃないかと思えるような本が、ぽんぽん出てくるのが面白い。
形態的には中台韓の翻訳同様、かなりオリジナルの体裁に近い書籍です。サイズも文庫本のものが主流。日本の文庫本ではもはや消えてしまった、縫込みされた紐の栞がついてます。
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さて、では少女小説と翻訳ライトノベル以外にはどんな書籍があるのか。どうも、タイ語オリジナルのライトノベルっぽい書籍も結構ある模様。たとえば、この”How to be Game Idol”(ゲームアイドルになる方法)という小説。折り込みカラーイラストにしても、会話体の多さにしても表紙から察せられる内容にしても、「いかにも」な感じです。著者名欄からみて、翻訳ではなさそうです。
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ソード・アート・オンライン系のお話なんでしょうか?そこはよく分かりませんけれど、ヴァーチャル・ワールドが舞台なのであれば、確かにタイ語でその種の小説が書かれても何の不思議もありません。いや、学校・学園小説にしたって、タイにも学校がある以上、タイの書き手たちにハンディがあるとも思えません。戦後の日本で、アメリカから入ってきたSFに刺激されて日本のSF作家たちが育ったという話と似たようなことが、タイで起こってもまったく不思議はないのです。
他にも、ファンタジー系小説も一つの分野をなしているのですが、さらに中国っぽい小説が結構あります。具体的に言うと、漢字が表紙に書かれていたり(中身はあくまでもタイ語なんですが)、表紙に古めの中国人が描かれているような本です。これは、少女系恋愛小説っぽいのから、伝奇、武侠と男の子っぽいのまでレンジが広そうです。
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タイには、かなり昔から中国人が住んでいて、現在の華人系タイ人は一割ぐらいだろうと言われていますし、経済や文化の分野ではその数字以上に存在感があるとされています。そういう事情が反映しているのでしょうか。
ともかくも、女の子向け小説にしても男の子向け小説にしても、タイには豊かなマーケットがもともとあって、そこにライトノベルであるとか、BL小説だとかが上手く根付いているんじゃないか。そんな気がしたことは確かです。あくまでも、私の主観的な感想の範囲ですが、、、
最後に、B2Sでの(おそらく)女の子向け小説のベストテンは以下のようなものらしいです。
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(報告:太田)

『ライトノベル・フロントライン2』発売

2016/05/16

大橋崇行・山中智省編著『ライトノベル・フロントライン2』(青弓社)が刊行されました。

表紙

本誌は2015年10月に創刊され、いまや一大ジャンルへと成長したライトノベルを中心に、関連する様々なメディアの作品を対象とした批評や書評、作家インタビューなどを掲載しています。

第2号の特集では、ライトノベル市場の変化、ウェブ発の作品の拡大、インターネットを介した作家と読者のコミュニケーションの活発化など、今日的なメディア状況を踏まえながら、イチゼロ年代(2010年代)のライトノベルをめぐる動向に迫ります。話題沸騰のテレビアニメ『灰と幻想のグリムガル』の原作者・十文字青へのインタビューをはじめ、ヤマハの歌声合成技術「VOCALOID」を用いた楽曲をイメージして制作される「ボカロ小説」や、近年勢力を増している「ライト文芸」に関する論考、中国・韓国のライトノベル事情のレポートなどを収め、さらにイチゼロ年代の個性豊かな作品もレビューしています。

また、小特集は「児童文学とライトノベルのあいだ」と題して、ライトノベルに接近しつつある児童向けエンターテインメントの現状と、その実態に注目。『ミステリアス・セブンス』の著者・如月かずさへのインタビューや、『西の善き魔女』『RDGレッドデータガール』などで知られる作家・荻原規子、児童文庫、「朝の読書」運動に関する論考から、児童文学の新たな可能性を探ります。

詳細な目次情報はコチラ

ぜひお手に取ってご覧下さい!!

ライトノベル・フロントライン2: 特集 イチゼロ年代のライトノベル ライトノベル・フロントライン2: 特集 イチゼロ年代のライトノベル
大橋 崇行 山中 智省

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【文責:山中】


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