マレーシアのライトノベル

インドネシアのジャカルタの後は、マレーシアのクアラルンプールに向かいました。ライトノベル翻訳探しの旅は続きます。

マレーシアはインドネシアよりも人口はぐっと少ないのですが、石油や鉱物資源をうまく活用して近代国家を作り上げることに成功した国です。首都クアラルンプールは(ジャカルタに比べると)すごく洗練された都会でした。

今回も、まず目的に見定めたのがは紀伊国屋。

ジャカルタのと似たような写真が続くのもアレなので結論から書きます。日本語の本を除けば、英語、中国語、マレーシア語のマルチリンガルな本屋です。そしてこれは、他の大型書店も同じでした。状況はジャカルタと同じでした。(そして後で書くつもりですが、インドネシア語とマレーシア語はほとんど同じ言語です。)

ただ、中国語の本の比率がジャカルタで見たのよりは多い。そして、ありました!軽小説(ライトノベル)のコーナー!

そして、中華圏でおなじみの武侠小説。この分野はB級っぽかったり大河ドラマっぽかったり色々あるのですが、少しおしゃれな感じの本も並んでました。

網路小説というのはネット小説のことです。

科幻小説(SF)もあります。

これらが香港・台湾・本土からの輸入ばかりかと言うと、そうとも限らないらしい。例えば、中国語のヤングアダルト小説っぽいコーナーがあって、そこの本の出版社を見ると、マレーシアの出版社だったりします。つまり、マレーシア国内で中国語の出版をしているのです。

街歩きをしていても、中国系書店が色々と面白いのです。やってきたのはチャイナタウン。

とある店の奥を覗いてみると、まさにマンガが山積み。

日本の翻訳マンガばかりではなく、結構怪しそうな本があるではありませんか!「言情小説」というカテゴリーがあったのですが、ポルノなんでしょうか、、、

「中華圏には、もともとライトノベルっぽい小説を受け入れる素地があったのではないのか」というのが、私の仮説だったんですが、こういうセクシャル系を強く匂わせる本を見ているとますますその感を強くしてしまいます。

もう一々調べるのも面倒臭くなる物量で、ラノベっぽい本も一杯。おそらく、中国語オリジナルのものが相当並んでいるはずです。そして古本屋に行くと、アメリカンコミック風の中国マンガもあって中々に楽しかったです。

で、マレーシア語の本はどうなのか。中国語ほどではないですけれど、そこそこ健闘しています。Novel Remajaは「ティーン小説」の意味です。アレーシア語のヤングアダルト小説ということになりますが、少女小説っぽくってラノベっぽい。フィリピンと似た感じです。

マンガも、現地化していますね。

そして、、、ティーンズ向けフィクションのコーナーに目指すものはありました。

マレーシア語に翻訳されたライトノベルは米澤穂信の古典部シリーズ、『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』でした。日本に帰ってきてからマレーシアの紀伊国屋のサイトで調べると『氷菓』も在庫があったらしいのですが、私が見たときにはマンガ版しか見当たりませんでした。シリーズで刊行されているのですから、そこそこ売れているということなのでしょうか。

結論として、「マレーシアにはライトノベルの中国語訳なら一杯ある。マレーシア語翻訳はまだあまりない」でした。

ところで、インドネシアとマレーシアの言語状況については考えておかなければいけない点があります。機会があれば、そのお話も書きたいと思っています。

(太田記)

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