【新刊告知】山中智省『ライトノベル史入門 『ドラゴンマガジン』創刊物語ー狼煙を上げた先駆者たち』勉誠出版(2018年1月刊行予定)

2017/12/06

私事で大変恐縮ではございますが、このたび勉誠出版より、単著『ライトノベル史入門 『ドラゴンマガジン』創刊物語ー狼煙を上げた先駆者たち』を刊行する運びとなりました。本日(12/5)情報が出ましたため、こちらのブログでも告知をさせて頂きます。

これまで私はライトノベル研究会をはじめ、日本近代文学会や日本出版学会などで研究発表の機会を頂き、創刊当時の『ドラゴンマガジン』(富士見書房)に関する報告を複数回行ってきました。ご存知の方はおそらく「ああ『ドラマガ』発表の人か~」とお思いかもしれませんが(笑)そして今回の単著はそれら報告の集大成でもあり、今後の研究に繋げていくための足掛かりでもあります。

[参考]ラノベ史探訪(4)―ラノベ専門誌の始まりを見てみよう【「ドラゴンマガジン」編】

今回の単著では、およそ5年ほどかけてコツコツ収集してきた多数の資料に加え、『ドラゴンマガジン』の創刊に関わった編集者、そして同誌の作家や読者の方々のご協力で実現したインタビューをもとに、『ドラゴンマガジン』創刊の経緯や周辺の同時代状況、そして現在の「ライトノベル」が誕生していく過程に迫っていきます。現時点での刊行予定は2018年1月となっており、皆様のお手元に届くまで今しばらく時間が掛かるかと思われますが、刊行の際はぜひお手に取って頂けましたら幸いに存じます。どうぞよろしくお願い致します。

≪目次≫

はじめに

第1章 『ドラゴンマガジン』創刊前後の状況
Ⅰ 〈ライトノベル雑誌〉への注目
Ⅱ 創刊から躍進までの軌跡
Ⅲ 雑誌・文庫レーベル・新人賞の関係性
Ⅳ 創刊号にみるビジュアル重視の姿勢

第2章 創刊を手がけた編集者たち
Ⅰ 『ドラゴンマガジン』創刊責任者インタビュー 小川洋
Ⅱ 表紙・グラビア・取材記事担当インタビュー 竹中清
コラム① 誌上に現れた二つのメディアミックス

第3章 創刊号の誌面を飾った作家たち
Ⅰ 小説家インタビュー 竹河聖
Ⅱ イラストレーターインタビュー あらいずみるい
Ⅲ マンガ家インタビュー 見田竜介
コラム② 作家の共演が生み出した「イマジネーションの世界」

第4章 『ドラゴンマガジン』が育んできたもの
Ⅰ  読者投稿ページ「ガメル連邦」担当インタビュー 加藤一
Ⅱ 小説家インタビュー 新城カズマ
Ⅲ 小説家インタビュー 伊藤ヒロ
コラム③ 読者・作家・編集者が交差する場

第5章 〝ビジュアル・エンターテインメント〟の誕生と展開
Ⅰ 「メディアミックス世代」と呼ばれた読者たち
Ⅱ ビジュアル重視の小説雑誌と読者―『獅子王』『ドラゴンマガジン』を例に
Ⅲ 『ドラゴンマガジン』が生んだ〝ビジュアル・エンターテインメント〟

おわりに―そして「ライトノベル」へ

あとがき
参考文献一覧
過去の作品を知りたい・読みたい・入手したい人のための資料探索ガイド
『ドラゴンマガジン』基本情報一覧(1988~1995年)

ライトノベル史入門  『ドラゴンマガジン』創刊物語: 狼煙を上げた先駆者たち ライトノベル史入門 『ドラゴンマガジン』創刊物語: 狼煙を上げた先駆者たち
山中智省

勉誠出版 2018-01-31
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なお、勤務校である目白大学の新宿図書館で現在開催中の企画展示「ライトノベル誕生の軌跡 ―ようこそ〝ビジュアル・エンターテインメント〟の世界へ」は、本書で紹介する事例の一部を含んだものとなっています。もしもご興味がありましたら、こちらもぜひご覧頂けましたら幸甚です。

【文責:山中】

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【告知】企画展示「ライトノベル誕生の軌跡 ―ようこそ〝ビジュアル・エンターテインメント〟の世界へ」(12/1~12/26@目白大学新宿図書館)

2017/11/30

目白大学新宿キャンパスにて開講中の基礎教育科目「言語文化論」(担当:山中)との連動企画展示として、12月1日より「ライトノベル誕生の軌跡―ようこそ〝ビジュアル・エンターテインメント〟の世界へ」を、目白大学新宿キャンパスにて開催致します。

若年層向けのエンターテインメント小説として、日本はもちろん、海外でも知られるようになってきた「ライトノベル」。本展示では、そんなライトノベルが現在の姿を確立していった黎明期(特に1980年代後半~1990年代初頭)の状況にスポットを当て、当時勃興していた〝ビジュアル・エンターテインメント〟の様相から、 ライトノベル誕生の軌跡を辿っていきます。今ではなかなか目にすることができない貴重な資料も、多数展示いたします。

展示自体は小規模ではございますが、図書館スタッフの方々のご協力もあり、内容的には密度の濃いものになっておりますので、この機会にぜひご来館ください。

開催日:2017年12月1日(金)~12月26日(火)
時 間:月~金)21:00まで、土)17:00まで、日)休館
場 所:新宿図書館本館1F PC室前スペース

なお、学外(一般)の方でも見学可能です。来館の際は入館申込書にご記入頂く必要がございますので、受付にてお申し出下さい。

【文責:山中】


マレーシアのライトノベル

2017/11/05

インドネシアのジャカルタの後は、マレーシアのクアラルンプールに向かいました。ライトノベル翻訳探しの旅は続きます。

マレーシアはインドネシアよりも人口はぐっと少ないのですが、石油や鉱物資源をうまく活用して近代国家を作り上げることに成功した国です。首都クアラルンプールは(ジャカルタに比べると)すごく洗練された都会でした。

今回も、まず目的に見定めたのがは紀伊国屋。

ジャカルタのと似たような写真が続くのもアレなので結論から書きます。日本語の本を除けば、英語、中国語、マレーシア語のマルチリンガルな本屋です。そしてこれは、他の大型書店も同じでした。状況はジャカルタと同じでした。(そして後で書くつもりですが、インドネシア語とマレーシア語はほとんど同じ言語です。)

ただ、中国語の本の比率がジャカルタで見たのよりは多い。そして、ありました!軽小説(ライトノベル)のコーナー!

そして、中華圏でおなじみの武侠小説。この分野はB級っぽかったり大河ドラマっぽかったり色々あるのですが、少しおしゃれな感じの本も並んでました。

網路小説というのはネット小説のことです。

科幻小説(SF)もあります。

これらが香港・台湾・本土からの輸入ばかりかと言うと、そうとも限らないらしい。例えば、中国語のヤングアダルト小説っぽいコーナーがあって、そこの本の出版社を見ると、マレーシアの出版社だったりします。つまり、マレーシア国内で中国語の出版をしているのです。

街歩きをしていても、中国系書店が色々と面白いのです。やってきたのはチャイナタウン。

とある店の奥を覗いてみると、まさにマンガが山積み。

日本の翻訳マンガばかりではなく、結構怪しそうな本があるではありませんか!「言情小説」というカテゴリーがあったのですが、ポルノなんでしょうか、、、

「中華圏には、もともとライトノベルっぽい小説を受け入れる素地があったのではないのか」というのが、私の仮説だったんですが、こういうセクシャル系を強く匂わせる本を見ているとますますその感を強くしてしまいます。

もう一々調べるのも面倒臭くなる物量で、ラノベっぽい本も一杯。おそらく、中国語オリジナルのものが相当並んでいるはずです。そして古本屋に行くと、アメリカンコミック風の中国マンガもあって中々に楽しかったです。

で、マレーシア語の本はどうなのか。中国語ほどではないですけれど、そこそこ健闘しています。Novel Remajaは「ティーン小説」の意味です。アレーシア語のヤングアダルト小説ということになりますが、少女小説っぽくってラノベっぽい。フィリピンと似た感じです。

マンガも、現地化していますね。

そして、、、ティーンズ向けフィクションのコーナーに目指すものはありました。

マレーシア語に翻訳されたライトノベルは米澤穂信の古典部シリーズ、『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』でした。日本に帰ってきてからマレーシアの紀伊国屋のサイトで調べると『氷菓』も在庫があったらしいのですが、私が見たときにはマンガ版しか見当たりませんでした。シリーズで刊行されているのですから、そこそこ売れているということなのでしょうか。

結論として、「マレーシアにはライトノベルの中国語訳なら一杯ある。マレーシア語翻訳はまだあまりない」でした。

ところで、インドネシアとマレーシアの言語状況については考えておかなければいけない点があります。機会があれば、そのお話も書きたいと思っています。

(太田記)


インドネシアのライトノベル

2017/11/05

外国の本屋で日本のライトノベル翻訳を探すというこの連載、しばらく途絶えていました。今回、東チモール(インドネシアの東の端に位置する国)に行く機会があり、その帰りにジャカルタに立ち寄って久々にライトノベル探しに勤しみました。東チモールのライトノベル探しはやらなかったのかと聞かれそうですが、首都ディリの本屋全てを回った上で(5軒しかありませんけど)「そんなものは無い!」と断言します。あそこはそもそも書籍の絶対量が少なすぎるのと、人口が100万人なのでライトノベルの翻訳出版が行われるなんてことは当面有り得ないのです。

それはともかく、インドネシアのジャカルタは人口1000万人の大都会です。これまでの経験上、ラノベ翻訳が一番有りそうな海外の本屋である紀伊国屋に向かいました。

まず、マンガ関係から見ておくと、日本語のマンガがあり、英語翻訳のマンガとアメリカのコミックがあり、中国語翻訳のマンガがあり、インドネシア語翻訳のマンガ、インドネシア語オリジナルのマンガがあります。

日本語書籍があるのは紀伊国屋だからなのですが、マンガに限らず、書籍としては英語・中国語・インドネシア語の3言語の本が置いてあります。これは他の書店でも見られた現象で、要するにインドネシアの本屋はマルチリンガルなのです。(これはフィリピンでも、タイでも見られた現象ですね。)そして、インドネシア語よりは英語の本の方が多いようです。特に専門書の類はインドネシア語が弱いように見受けられました。

マンガの話に戻りますが、日本のマンガは英語と中国語とインドネシア語の3種類の翻訳が販売されているということになります。結構凄い状況だと言えないでしょうか?

さて、肝心のライトノベルです。紀伊国屋なので日本語のライトノベルはいっぱいあります。

英語のライトノベルを探したら”MANGA”の棚にありました、、、どうも独立ジャンルとして認めてられていない模様。

そして、インドネシア語のライトノベルを探したのですが、、、、無い!中国語のライトノベルも見当たらない!

もう一軒、別の本屋に行って見ました。こちらにはインドネシア語のマンガ(コミック)がいっぱい置いてありました。結構自前でマンガが生産されていますね。輸入マンガよりも薄くて安い感じです(値段を控えるのを失念しました!)。

中国語のオリジナル漫画(マンファ)も結構出ています。

しかし、ライトノベルは見当たりません。インドネシア語のライトノベル探し、今回は敗退のようです。

なお、紀伊国屋でも、こちらの本屋でも少女小説っぽいのがそれなりにありました。フィリピンのラノベっぽい少女小説の大群、あるいはBL花盛りのタイよりはぐっとおとなし目ですが、やはり少女小説はあるのです。

この少女小説を見ていたら、ハングルが入ってる?でもインドネシア語だし著者名からみても翻訳というわけでもなさそう。買ってきて中身を見ていると、韓国人名が出てくるので舞台が韓国なのかもしれません。

さらに表紙に「愛している」という日本語の入った本まで!これまた翻訳では無いのですが、どうも憧れの日本に行くことになった女の子の話らしい。中を見ていると”yuki-chan”(ゆきちゃん?)のような呼びかけもあります。

韓国の少女小説が中国で大流行して、「韓国っぽい」少女小説が中国で大量生産された時期があったことは知っていましたが、そのインドネシア語版もあったとは!そしてその余波なのか日本を舞台にした小説もあったとは。

一度どこかで書いた覚えがあるのですが、昭和の少女マンガにはアメリカやフランスを舞台にアメリカ人やフランス人が主人公のマンガが結構ありました。萩尾望都ですら、そういうマンガを描いていたのです。それと同じ現象が、日本や韓国を対象にしてインドネシアでも起きているのかもしれません。

(太田記)


研究会メンバーの新刊情報(『言語と思想の言説 近代文学成立期における山田美妙とその周辺』)

2017/11/01

ライトノベル研究会のメンバーである大橋崇行氏が、以下の書籍(単著)を刊行致しました。

■ 大橋崇行『言語と思想の言説 近代文学成立期における山田美妙とその周辺』(笠間書院)

言語と思想の言説[ディスクール]: 近代文学成立期における山田美妙とその周辺 言語と思想の言説[ディスクール]: 近代文学成立期における山田美妙とその周辺
大橋 崇行

笠間書院 2017-11-06
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明治における〈近代〉の実態を探る。
江戸以前の「知」、海外から流入してくる「知」――。
明治期、活字メディアによる情報革命の中で、多様な「知」はさまざまに錯綜し、新たな言説は生み出されていくこととなった。その過程の総体を、山田美妙から明らかにしていく書。

ある時代の言葉は、どのように運用、共有され、新たな文化として再編成されていくのか。目の前にあるテクストだけを精読しても読み取ることのできない領域が、言葉には張り巡らされている。山田美妙は言葉とどう格闘し、そこでは何が起こっていたのか。

この時期の「知」のあり方と「文学」「小説」との関わりについて考え、「文体」や「文法」の問題、そのときに用いられる言葉が持つ概念、言葉が文章として構造化されたときに表現される「思想」がどのように捉えられていたのかついてを考えていくことで、日本の〈近代〉の実態を炙り出す。
笠間書院HP

【文責:山中】


『ユリイカ』掲載情報

2017/10/31

現在発売中の『ユリイカ』(青土社)に、ライトノベル研究会メンバーの論考が掲載されています。お近くの書店等でお見かけの際は、ぜひ手に取ってみて下さい。

『ユリイカ』2017年11月号 特集=スティーヴン・キング―ホラーの帝王―

【掲載論考】
 一柳廣孝「神を問う―キング『呪われた町』から小野不由美『屍鬼』へ」

ユリイカ 2017年11月号 特集=スティーヴン・キング ―ホラーの帝王― ユリイカ 2017年11月号 特集=スティーヴン・キング ―ホラーの帝王―
スティーヴン・キング 恩田陸 風間賢二 広江礼威

青土社 2017-10-27
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『ユリイカ』2017年11月臨時増刊号 総特集=志村貴子―『敷居の住人』『放浪息子』『青い花』から『淡島百景』、そして『こいいじ』へ―

【掲載論考】
 嵯峨景子「因果・憧憬・制服――スポットライトの外のざわめき」

ユリイカ 2017年11月臨時増刊号 総特集◎志村貴子 ―『敷居の住人』『放浪息子』『青い花』から『淡島百景』、そして『こいいじ』へ (ユリイカ臨時増刊) ユリイカ 2017年11月臨時増刊号 総特集◎志村貴子 ―『敷居の住人』『放浪息子』『青い花』から『淡島百景』、そして『こいいじ』へ (ユリイカ臨時増刊)
志村貴子 青木俊直 イシデ電 岩岡ヒサエ 谷川史子

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【文責:山中】


【イベント情報】9/26 目白大学トークイベント VRが更新するリアリティ(文化庁メディア芸術祭関連)

2017/09/23

研究会メンバーの山中が勤務する目白大学にて9月26日(火)、社会学部メディア表現学科が共催機関となり、文化庁メディア芸術祭実行委員会主催「第20回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」の連動企画「目白大学トークイベントーVRが更新するリアリティー」が開催されます。現在、受賞作品展が初台のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、東京オペラシティ アートギャラリーなどで行われていますが、そちらと合わせていかがでしょうか。詳細とお申し込みはコチラ

トーク「VRが更新するリアリティ」

近年話題となっているVRについて、エンターテインメント的な側面と学術研究的な側面の双方からのアプローチを紹介し、VRとリアリティのあり方について考えるレクチャー形式のトークイベント。

日 時:2017年9月26日(火) 18:00〜19:30(開場 17:30)
会 場:目白大学新宿キャンパス 研心館
定 員:400名
参加費:無料(一般の方は要事前申し込み

出演:
石井 晃/鈴木 一平[アート部門審査委員会推薦作品『Optical Marionette』]
松本 啓吾[エンターテインメント部門優秀賞『Unlimited Corridor』]
阿部 達矢[エンターテインメント部門審査委員会推薦作品『anywhereVR』]
モデレーター:
遠藤 雅伸[ゲームクリエイター/東京工芸大学教授]
小林 頼子[目白大学社会学部メディア表現学科教授]

【文責:山中】


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