嵯峨景子『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』関連イベント/講演情報まとめ(2017/03/26時点)

2017/03/26

昨年12月に『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』(彩流社)を上梓されたライトノベル研究会メンバーの嵯峨景子氏。同書は発売後1ヶ月で重版を果たし、現在も注目を集め続けています。そんな同書にちなんだイベントが来月4月以降、各所で開催されることになっていますので、現時点での情報をまとめてみました。

なお、参加にあたっては事前申し込みが必要な場合がありますので、詳細につきましてはリンク先をご確認下さい。

コバルト文庫で辿る少女小説変遷史 コバルト文庫で辿る少女小説変遷史
嵯峨 景子彩流社 2016-12-28
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『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』の著者・嵯峨景子先生トークショー&サイン会情報

日時:2017年4月9日(日) 15時から17時を予定
場所:書泉ブックタワー9Fイベントスペース(秋葉原)
詳細はコチラ

■日本出版学会・出版史研究部会「少女小説ジャンルの変遷―コバルト文庫とその読者層を中心に」

日時:2017年4月28日(金) 18時30分から20時30分
場所:日本大学法学部三崎町キャンパス 本館2階第2会議室
詳細はコチラ

■日比谷カレッジ「少女小説は死なない―氷室冴子から現在まで」

日時:2017年05月16日(火) 19時から20時30分
場所:千代田区立日比谷図書文化館 地下1階 日比谷コンベンションホール
詳細はコチラ

【文責:山中】

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ラノベ史探訪(番外編)-続・「富士見美少女文庫」の名称はどこから来たのか?

2017/03/20

本ブログでは久々の更新となる連載「ラノベ史探訪」。WEBでは第20回まで更新を続けてきたこの連載ですが、現在は2015年10月に創刊した『ライトノベル・フロントライン』(青弓社)に掲載の場を移しておりますので、よろしければぜひそちらもご覧頂けましたら幸いです。

<参考:『ライトノベル・フロントライン』掲載版「ラノベ史探訪」>

第1回『アルスラーン戦記』でたどる「ファンタジーフェア」の軌跡
第2回 専門レーベルの誕生―「角川文庫・青帯」から「スニーカー文庫」へ
第3回 続・専門レーベルの誕生―角川ルビー文庫に引き継がれた〈ピンク帯〉

さて、今回は「番外編」と題しまして、以前にも取り上げた「富士見美少女文庫」に関する追加調査の結果を、簡単ですがご報告出来ればと思います。

<参考:過去の連載分>
ラノベ史探訪(18)-「富士見美少女文庫」の名称はどこから来たのか?
稲葉真弓氏について

ピンとこない方のために解説しますと、「富士見美少女文庫」はかつて富士見書房が刊行していた文庫レーベルで、正式名称は「富士見文庫」。刊行期間は1986~93年の7年間で、作品数は全30タイトルと決して多くありません。また、現在は絶版になっていますので、若い世代ほど目にする機会は少ないと思われます。

この文庫レーベル、一部では大変よく知られているんですね。その理由としてはまず、1980年代に一世を風靡した美少女アニメ『くりいむレモン』シリーズのノベライズを多数刊行していたことが挙げられるでしょう。また、それらの作品の執筆者であった倉田悠子氏が、実は2014年に紫綬褒章を受賞した作家・稲葉真弓氏であったことも、近年になって注目を集めるきっかけになったかと思います。

刊行作品(全30タイトル)

なお、この文庫レーベルの詳細は拙稿「〈富士見文庫〉検証―ライトノベルとジュブナイルポルノの〝源流〟をめぐって―」(『コンテンツ文化史研究』次号に掲載)にまとめておりますので、コンテンツ文化史学会の学会誌の刊行後にご参照頂ければと。そういえばこの件、昨年末にもTwitterで告知したんですが……もう刊行されるはずなんですけどね(汗) 詳細が分かりましたら再度告知します、はい。

さて、この文庫レーベルについて私は以前、次のように書いていました。

《2013/01/14 追記》
「富士見美少女文庫」の名称を誰が命名したのか?については、現在も使用された当時の資料が未発見のため、版元によるものであったか否かは断定出来ない状態です。また別の可能性として、版元による「美少女文庫」という名称の使用を受けた読者側による命名であったことも考えられるかと思います。
(ラノベ史探訪(18)-「富士見美少女文庫」の名称はどこから来たのか?)

この記述から早4年―。「富士見美少女文庫」の名称がどこから来たのか?については、私の力不足もあり、ずっとその答えがはっきりとしないままでした。

ところが最近になって、この長年の疑問を解消する重要な手掛かりを入手することに成功。それが以下の写真の資料になります。

倉田悠子『レモンエンジェル えりかのバイバイ・ララバイ』1988.07.
倉田悠子『レモンエンジェル 美希のラブ・ラビリンス』1988.09.
倉田悠子『ジュラハンター・ケネス キ・キララの妖女』1989.01.

入手先は「まんだらけ」の通信販売でした。これまで「美少女文庫」と記載された帯は何点か確認されているのですが、通信販売のページに掲載されていた商品写真を見る限り、上掲の帯は未見でしたので早速注文&入手。すると帯の背表紙側に「富士見美少女文庫」の文字がはっきりと記載されているではありませんか。いやはや、目にした時は本当に手が震えましたね。

今回入手したこの資料から、版元である富士見書房が「富士見美少女文庫」の名称を使用していたことが確認出来ました。この名称が刊行当時、作家、読者、編集者の間でどの程度流通していたのかは今後の調査課題ですが、少なくとも版元が名称を提示していたことは間違いないことになります。現時点の私見ですが、正式名称は「富士見文庫」のままであった以上、「富士見美少女文庫」はあくまでPR目的の通称であった可能性が高いのかなぁと。

上記の点については引き続き調査を行い、またご報告出来ることが増えましたら、あらためてお知らせ致します。今後とも連載「ラノベ史探訪」をどうぞよろしくお願い致します。

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【文責:山中】


【3月13日開催】黒史郎×一柳廣孝×山中智省×大橋崇行「ライトノベルは越境する!」『ライトノベル・フロントライン3』(青弓社)刊行記念イベント

2017/03/07

『ライトノベル・フロントライン3』の刊行を記念して、来週3月13日(月)、下北沢の本屋B&Bで以下のトークイベントを開催致します。まだお席には余裕がございますので、ご興味のある方はぜひご参加下さい!!

黒史郎×一柳廣孝×山中智省×大橋崇行「ライトノベルは越境する!」
『ライトノベル・フロントライン3』(青弓社)刊行記念

日時:2017年3月13日(月) 20:00~22:00
場所:本屋B&B (世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F)
イベントの詳細はコチラ

【イベント情報】

中学生・高校生からアラフォーまでの読者を引き付け、一大ジャンルへと成長したライトノベル。ラノベは、マンガ・アニメへと越境して多メディア展開を果たすと同時に、各メディアから越境してくる作品も受け入れています。

一方で、刊行スピード・サイクルが早いうえに、いまや文庫だけでなくカルロ・ゼン『幼女戦記』などのように四六判などの判型で文芸書扱いでのレーベルも刊行されています。作品内容も非常に多岐にわたっていることもあり、ラノベがもつ懐の深さや魅力、ポテンシャルはいまだつかまえにくい状況です。

現在のラノベがもつ可能性はどこにあるのでしょうか?

本イベントでは怪異怪談を扱う作品を多く世に放ち、ラノベも執筆している黒史郎さんをゲストに迎えて、『ライトノベル・フロントライン3』で特集したメディアミックスの視点から、ラノベの「いま」と「これから」を議論します。作家と評論家・研究者とが真正面から語り合う貴重なイベントです。

みなさま、ぜひ足をお運びください。

【出演者プロフィール】

黒史郎(くろ・しろう)
作家。2007年、「夜は一緒に散歩しよ」で第1回「幽」怪談文学賞長編部門大賞を受賞。著書に『実話蒐録集』シリーズ(竹書房)、『乱歩奇譚』シリーズ(光文社)、『童提灯』(創土社)、『怪談撲滅委員会 死人に口無し』(KADOKAWA)など多数。

一柳廣孝(いちやなぎ・ひろたか)
横浜国立大学教員。専攻は日本近現代文学・文化史。著書に『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉』(講談社)、『催眠術の日本近代』(青弓社)、『無意識という物語』(名古屋大学出版会)など。

山中智省(やまなか・ともみ)
目白大学教員。専攻は日本近代文学、サブカルチャー研究。著書に『ライトノベルよ、どこへいく』(青弓社)など。

大橋崇行(おおはし・たかゆき)
作家。東海学園大学教員。専攻は日本近代文学。小説に『レムリアの女神』(未知谷)、評論に『ライトノベルから見た少女/少年小説史』(笠間書院)など。

(告知ページより引用)

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【文責:山中】


研究会メンバーの新刊情報 (『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』『「イタコ」の誕生 マスメディアと宗教文化』)

2017/03/06

ライトノベル研究会のメンバーである、嵯峨景子氏、大道晴香氏が、以下の書籍(単著)を刊行致しました。

■ 嵯峨景子『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』彩流社

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常に少女たちの「居場所」となり、「読者」と共に歩み続ける「Cobalt」/コバルト文庫。そんな「コバルト」を追うからこそ見える少女小説史!雑誌「Cobalt」の前身である『小説ジュニア』から、Web マガジンCobaltまでの時代を追い、各時代の読者と「少女小説」の移り変わりを徹底追跡。学校読書調査や雑誌の読者投稿なども引用し、時代のリアルな空気も読み取れます。80年代のコバルト読者からライトノベル世代の中高生まで、幅広い世代に楽しんでもらえる一冊です。
彩流社HP

関連イベント情報
『星へ行く船』全5巻完結記念!!新井素子先生×嵯峨景子先生(少女小説研究家)トークショー&サイン会決定!!
日時:2017年04月09日(日)15時から17時予定
会場:書泉ブックタワー9Fイベントスペース(秋葉原)

■大道晴香『「イタコ」の誕生 マスメディアと宗教文化』弘文堂

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盲目の巫女はブームを経て、アニメのシャーマンへ――イタコ文化はいかにして伝説となったか?

死者を呼び出し、生者へのメッセージを伝える盲目の巫女イタコは、1960年代のブームで一躍全国に知られる存在となった。その半世紀後、現実のイタコが高齢化した一方で、マンガやアニメでは少女イタコがシャーマンとして活躍している。東北の民俗宗教はいかにして新しい宗教文化になり得たのか? フィールドワークと資料の発掘、質問調査から丹念に追跡した貴重な論考。
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【文責:山中】


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