【イベント告知】黒史郎×一柳廣孝×山中智省×大橋崇行「ライトノベルは越境する!」(『ライトノベル・フロントライン3』(青弓社)刊行記念/2017年3月13日)

2017/02/25

『ライトノベル・フロントライン3』の刊行を記念し、下北沢の本屋B&Bにて以下のイベントを開催致します。

黒史郎×一柳廣孝×山中智省×大橋崇行「ライトノベルは越境する!」
『ライトノベル・フロントライン3』(青弓社)刊行記念

日時:2017年3月13日(月) 20:00~22:00
場所:本屋B&B (世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F)
イベントの詳細はコチラ

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【イベント情報】

中学生・高校生からアラフォーまでの読者を引き付け、一大ジャンルへと成長したライトノベル。ラノベは、マンガ・アニメへと越境して多メディア展開を果たすと同時に、各メディアから越境してくる作品も受け入れています。

一方で、刊行スピード・サイクルが早いうえに、いまや文庫だけでなくカルロ・ゼン『幼女戦記』などのように四六判などの判型で文芸書扱いでのレーベルも刊行されています。作品内容も非常に多岐にわたっていることもあり、ラノベがもつ懐の深さや魅力、ポテンシャルはいまだつかまえにくい状況です。

現在のラノベがもつ可能性はどこにあるのでしょうか?

本イベントでは怪異怪談を扱う作品を多く世に放ち、ラノベも執筆している黒史郎さんをゲストに迎えて、『ライトノベル・フロントライン3』で特集したメディアミックスの視点から、ラノベの「いま」と「これから」を議論します。作家と評論家・研究者とが真正面から語り合う貴重なイベントです。

みなさま、ぜひ足をお運びください。

【出演者プロフィール】

黒史郎(くろ・しろう)
作家。2007年、「夜は一緒に散歩しよ」で第1回「幽」怪談文学賞長編部門大賞を受賞。著書に『実話蒐録集』シリーズ(竹書房)、『乱歩奇譚』シリーズ(光文社)、『童提灯』(創土社)、『怪談撲滅委員会 死人に口無し』(KADOKAWA)など多数。

一柳廣孝(いちやなぎ・ひろたか)
横浜国立大学教員。専攻は日本近現代文学・文化史。著書に『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉』(講談社)、『催眠術の日本近代』(青弓社)、『無意識という物語』(名古屋大学出版会)など。

山中智省(やまなか・ともみ)
目白大学教員。専攻は日本近代文学、サブカルチャー研究。著書に『ライトノベルよ、どこへいく』(青弓社)など。

大橋崇行(おおはし・たかゆき)
作家。東海学園大学教員。専攻は日本近代文学。小説に『レムリアの女神』(未知谷)、評論に『ライトノベルから見た少女/少年小説史』(笠間書院)など。

(告知ページより引用)

ライトノベル・フロントライン3: 特集 第2回ライトノベル・フロントライン大賞はこれだ! ライトノベル・フロントライン3: 特集 第2回ライトノベル・フロントライン大賞はこれだ!
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【文責:山中】

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シンポジウム『ライトノベル研究の現在』:日本近代文学会東海支部第58回研究会(2017年3月4日)

2017/02/20

来る3月4日(土)、名古屋大学東山キャンパスにて、シンポジウム『ライトノベル研究の現在』(日本近代文学会東海支部・JSPS科研費「現代日本におけるメディア横断型コンテンツに関する発信および受容についての研究」共催シンポジウム)が開催されます。詳細は以下の通りです。

【趣旨説明】

2000年代半ばに大塚英志や東浩紀、新城カズマといった批評家、作家たちによって語られていたライトノベルは、一柳廣孝・久米依子編『ライトノベル研究序説』(青弓社、2009)以降、学術研究の対象としてこれらの作品群をどのように扱うのかについて、具体的な方向性が模索されるようになった。その中で、ライトノベルは小説としての問題だけではなく、マンガやアニメーション、実写映画、インターネット上の動画サイト、ポピュラー音楽など、さまざまなメディアとの関わりを踏まえて考える必要性が浮き彫りになっている。この他にもライトノベルの作品群には、多様な問題系が見いだされる。具体的には、児童文化とヤングアダルト文化との断続をめぐる問題、海外への広がりと翻訳、青少年文化におけるジェンダーのあり方、「ラノベ読み」と呼ばれる読者たちがインターネット上を中心に編成されてきたライトノベルの「歴史」をどのように検証するかなどである。また近年では、いわゆる「ライト文芸」の出現や、ライトノベルがweb小説、時代小説に接続したことを受けて、当初ライトノベルが想定していた中高生にとどまらない幅広い年代に読者が拡散した。その意味でライトノベルは、現代において編成されている物語を考える上で欠かせない作品群として、今なお成長し続けているのである。本シンポジウムでは、こうしたライトノベルの状況を見据えながら、研究の現在と、これからどのように現代の物語を論じることができるのかについて、その方向性を探っていく。フロアも交えた質疑も行うため、積極的な議論を期待したい。

【基調報告要旨】

接点としての児童文学
―如月かずさ作品を軸に

大島 丈志

児童文学作家如月かずさは、『ライトノベル・フロントライン』第2号(2016年)のインタビューの中で、幼少期からゲームを自作し、高校時代よりライトノベルを読み、創作にあたり、ライトノベルの文体を意識しているとする。同時に、日本児童文学者協会新人賞を受賞した『カエルの歌姫』(2011年)の受賞者コメントでは、「漫画やライトノベルではできない物語」(『日本児童文学』日本児童文学者協会、2012年8月)が創作の出発点と述べる。この点から如月がライトノベルと児童文学の境を意識した作家であることが分かる。 一方で、如月かずさの作品には、様々な「サブカルチャー」が内在している。『カエルの歌姫』は、中学生の性の揺らぎ、友達との日常を描く。さらに、ライトノベル・ゲーム・マンガといった「サブカルチャー」が作品内にちりばめられている。如月作品において、ライトノベルをはじめとする「サブカルチャー」がどのように内在しているのか、それらを使用することが、どのような世界観を生み出すのか。『カエルの歌姫』を軸にして、同時期に発表された他の如月の作品も参照しつつ読みといていく。

アニメ文化が育んだ文庫レーベルの〝位置〟
―「アニメージュ文庫」からみえるもの

山中 智省

徳間書店が発行する『アニメージュ』(1978年5月創刊)と言えば、日本を代表するアニメ雑誌の一つである。この雑誌と同じ名を冠する文庫レーベル「アニメージュ文庫」は、アニメ・ファンを想定読者として1982年12月に創刊された。当初のアニメージュ文庫は、内容の異なる5つの部門(NOVEL・CHARACTER・FILM・PEOPLE・THE BEST)を擁しており、『アニメージュ』との連携を図りつつ、多種多様な刊行物を世に送り出していた。例えば、アニメ作品のノベライズやオリジナル小説のほか、人気キャラクターの写真集、傑作アニメのフィルムブック、アニメーターや脚本家の自伝など、そのラインナップは多岐にわたる。さらに、アニメージュ文庫はアニメ文化との繋がりが強い文庫レーベルの性格上、視覚メディアと活字メディアに跨った作品展開・作品受容を促し、現代のメディア横断型コンテンツの発展にも寄与してきたと考えられる。本発表では、アニメージュ文庫が創刊された1980年代を中心にその実態と特徴を明らかにし、当時の児童文化・青少年文化、ならびに後のライトノベルに繋がっていく若年層向け小説の流れにおいて、どのように位置づけられるのかを考察していく。

ライトノベルの韓国語翻訳のあり方についての考察
―渡航のライトノベル『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を中心に

田 泰昊

韓国での日本文学の受容は、1990年代の村上春樹のヒットから増え始め、2000年代からは若者層を中心に高い人気を得るようになっている。そのうち、ライトノベルの部数の増加は特に目立つものであり、2008年には韓国で翻訳された日本の小説全体の約50%を占めるほどになった。ただし、ライトノベルの場合、出版元の多くが、マンガやアニメ関連の出版社で、他の日本文学の翻訳の様相とは異なる場合があると見られる。例えば、翻訳者が既存の文学作品の翻訳者と異なり、元マンガ翻訳者であったり、翻訳の経験は皆無だがマンガやアニメに詳しい人であるという理由で担当になったりするケースがある。このような状況は翻訳の質や具体的な翻訳のあり方にも影響を及ぼすと考えられる。ライトノベルの翻訳に関する研究はすでに2点(허경숙 2010; 김애연 2012)あるが、これらの研究はあくまでも韓国の通訳翻訳大学院で行われたもので、主に翻訳の誤りを指摘し、正しい翻訳の例を提示することに止まっていた。そこで本発表では渡航のライトノベル『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を中心に、実際の韓国語での翻訳がどのように行われているかを具体的に提示し、そこに見られる問題点について考察したい。

(以上、案内資料より引用)

【文責:山中】


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