【紹介レポート】盛光社 《ジュニアSF》全10巻:復刻版

「日本SF作家クラブ」(1963年発足)の創立50周年を記念して、昨年から様々な関連イベント・プロジェクトが企画されていることを以前ご紹介させて頂きました。

《関連》

【イベント紹介】日本SF作家クラブ50周年記念プロジェクト「SFブックミュージアム」開催中(2013年1月6日投稿)

日本SF作家クラブ50周年記念 公式サイト

その一つとして、筒井康隆『時をかける少女』や眉村卓『なぞの転校生』などで知られる盛光社 《ジュニアSF》全10巻の復刻が告知されていました。1967年に刊行されたこれらの作品群は、日本におけるSFジュブナイルの歴史、さらには現在のライトノベルへと連綿と続く若年層向け小説の歴史を追う上でも重要な存在で、復刻はおそらく多くの方々が待ち望んでいたことと思います。予約は昨年末で締め切られており、当初刊行は2013年1月末とされていましたが、本日予約先のジュンク堂書店から連絡が入ったところをみると、少々遅れての刊行になったようですね。無事に引き取りが済んだということもあり、簡単ではありますが、復刻版の状態をレポートしてみたいと思います。

hukkoku1外函表記

hukkoku2復刻版全10巻の背表紙

写真 3復刻版全10巻の表紙①

福島正実『リュイテン太陽』 、 眉村卓『なぞの転校生』、 光瀬龍『夕ばえ作戦』、矢野徹『新世界遊撃隊』 、中尾明『黒の放射線』 、豊田有恒『時間砲計画』 。

写真 4復刻版全10巻の表紙②

北川幸比古『すばらしき超能力時代』、内田庶『人類のあけぼの号』 、小松左京『見えないものの影』 、筒井康隆『時をかける少女』 。

復刻版のサイズは新書版で、セットケース?でダンボールの外函が付いています。一冊一冊の外函はありません。表紙の感触は原本と異なり、『ライトノベル研究序説』と同じかなりツルツルした素材が使われています(正式名称は何でしたっけ?)。この素材、結構簡単に傷がついてしまうので扱いには注意が必要そうです。

ここで一例として、筒井康隆『 時をかける少女』 を取り上げてみましょう。

hukkoku5筒井康隆『 時をかける少女』 表紙

hukkoku6筒井康隆『 時をかける少女』 裏表紙

傷つきやすいというのは確かにネックなのですが、反面、表紙・背表紙イラストの発色はこの素材のおかげでとてもよく出ています。感じ方は人それぞれかと思いますが、原本よりも明るい印象を受けます。また、表紙裏にはモノクロ版のイラスト、巻末には当時の広告が再現されていました。こういう部分まで細かく見ることが出来るのは復刻版の醍醐味ですね。

hukkoku9筒井康隆『 時をかける少女』の表紙裏(モノクロ表紙)

hukkoku10筒井康隆『 時をかける少女』章扉

hukkoku8巻末の広告(ジュニアSF全10巻)

なお、今回の復刻版には「ジュニアSF 解説 ブック」が付録となっています。形態は16ページの小冊子で、以下のような4つの解説が掲載されていました。

・大橋博之「《ジュニアSF》とはなんだったのか?」
・飯塚千歳「「夕ばえ作戦」の頃」
・内田庶「少年文芸作家クラブのこと」
・乙部順子「『見えないものの影』の頃の小松左京」

写真 7付録「ジュニアSF 解説 ブック」

まだ全てに目を通せたわけではありませんが、丁寧な作りを感じる復刻版だと個人的には思います(原本は一部しか手元にないため詳細な比較等は出来ませんが…)。ただ残念なのは、やはり一冊一冊の外函が含まれていないことでしょうか。

今後一般販売があるのかは不明なものの、もし機会があれば一見の価値ありです!!

【文責:山中】

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