ラノベ史探訪(19)-オーバーラップ文庫とMF文庫J:創刊時の様相

あらためまして、新年明けましておめでとうございます。

昨年1月からスタートした「ラノベ史探訪」ですが、皆様から多くのアクセスを頂き恐縮です。今年も不定期での連載を考えておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

さて、昨年末の冬コミ開催期間中、「あるニュース」でライトノベル界隈が盛り上がりを見せたことは記憶に新しいと思います。そう、オーバーラップ文庫の創刊告知ですね。2009年からMF文庫Jで刊行が始まり、2011年放映のアニメも大ヒットした弓弦イズル『IS〈インフィニット・ストラトス〉』の再起動をはじめ、著名なライトノベル作家やジュブナイルポルノ作家、プロデューサーやアニメ監督までも含んだ豪華作家陣を擁する創刊体制は、発表されるや否や大きな話題を呼びました。また、昨年見られた『IS〈インフィニット・ストラトス〉』をめぐる騒動や、現在のメディアファクトリーとオーバーラップの関係(オーバーラップの組織がメディアファクトリーを退社した人員で構成etc)から、今後の動向が各所で注目を集めています。

新レーベル・オーバーラップ文庫4月25日創刊 「IS」最新刊や志倉千代丸、山本寛の新作(アニメ!アニメ!)

[オーバーラップ]ライトノベルの新レーベル創刊 2年ぶり「IS」復活 山本寛監督も執筆(マイナビニュース)

over1『IS〈インフィニット・ストラトス〉』再起動

over3オーバーラップ文庫創刊告知

over2作家陣・新人賞告知

上でも少し触れましたが、オーバーラップとメディアファクトリーは浅からぬ関係にあるがゆえに、オーバーラップ文庫はMF文庫Jと並べて語られることが多いようです。今回の創刊をめぐる一連の動向が、かつての角川書店とメディアワークスの関係を彷彿とさせたことも、話題として取り上げられた一要因なのでしょう。

オーバーラップ文庫とメディアファクトリーお家騒動(主にライトノベルを読むよ^0^)

現在のライトノベル業界を角川グループが席巻するなか、角川以外の新たなレーベルが誕生するという点でも注目を集めたわけですね(ましてそれが、角川が買収したばかりのメディアファクトリー周辺での出来事であったという…)。なかなか興味深いです。

ところで…実に唐突で恐縮ですが…オーバーラップ文庫の創刊をめぐる話題が尽きないなか、「そういえばMF文庫Jの創刊って、どんな感じだったっけ?」という点はあまり顧みられていないようです。まあ、現状のMF文庫Jとの比較で十分事足りる話題なので、敢えて言及する必要がないのは確かです(汗) ただせっかくの機会ですので、あらためてMF文庫Jの創刊時の様相を振り返ってみたいと思います。

MF文庫Jの創刊は2002年7月25日。実はもう10年も前のことです(昨年夏に秋葉原で記念イベント開催)。ちなみに当時の創刊ポスターが以下のものになります。新海誠監督の『ほしのこえ』の画像が使用されていますが、2002年はちょうど作品が公開された年ですね。

mfj (1)MF文庫J創刊ポスター

mfj (2)創刊ラインナップ

創刊ラインナップは上の写真にある4作品。『ラーゼフォン』『ほしのこえ』『KaNa』など、当初はアニメ・マンガのノベライズ作品が多い状態だったことが分かります。

ラーゼフォン〈1〉 (MF文庫J) ラーゼフォン〈1〉 (MF文庫J)
大野木 寛 山田 章博

メディアファクトリー 2002-07
売り上げランキング : 589101

Amazonで詳しく見る by G-Tools

ほしのこえ The voices of a distant star (MF文庫J) ほしのこえ The voices of a distant star (MF文庫J)
大場 惑 新海 誠

メディアファクトリー 2002-07-25
売り上げランキング : 361741

Amazonで詳しく見る by G-Tools

KaNa‐哀‐〈1〉 (MF文庫J) KaNa‐哀‐〈1〉 (MF文庫J)
為我井 徹 広瀬 総士

メディアファクトリー 2002-07
売り上げランキング : 595703

Amazonで詳しく見る by G-Tools

ホーリーメイデン―碧の瞳の少女 (MF文庫J) ホーリーメイデン―碧の瞳の少女 (MF文庫J)
橋本 純 Chiyoko

メディアファクトリー 2002-07
売り上げランキング : 1584944

Amazonで詳しく見る by G-Tools

しかし、こうして創刊ラインアップを眺めてみると、いわゆる「美少女もの」で萌え系のオリジナル作品が多い印象を持たれるMF文庫Jの現状とは、かなり趣が異なります。(本来はより綿密に経過を追うべきですが…)時間の経過によるレーベルおよび作品傾向の変化があらためて見て取れます。

ちなみにオリジナル作品が増え始めるのは、新人発掘方法の変更が一つの転機と言えるでしょう。かつてのMF文庫Jは、作品投稿を随時受け付ける&評価シートを希望者に送付という形式をとっていました。しかし2004年、「MF文庫J ライトノベル新人賞」の設置で公募形式となって以降、ノベライズ作品よりもオリジナル作品がラインナップの大半を占め、数々のヒット作品を生み出しながら現在へと至っています。

MF文庫Jライトノベル新人賞(MF文庫J公式HP)

創刊から10年を経て有力レーベルに成長してきたMF文庫J。新興レーベルでありながら高い話題性を確保し、4月の創刊に臨むオーバーラップ文庫。今後も両者の動向が注目を集めそうですね。相乗効果で何か新しい展開があるのかどうか、気になるところです。

【文責:山中】

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。