ライトノベル海外翻訳事情 中国本土編(2)

百元籠羊さんが現地で買ったらしいライトノベル雑誌『天漫軽小説』というのを、お借りしました。天聞角川の発行。中国版『ザ・スニーカー』みたいなものでしょうか。『灼眼のシャナ』の翻訳が一本ある以外は、見た所すべて中国オリジナルの作品でした。表紙のキャライラストにも使われていますが、『V++青春期生理研究社』なんて作品もあって、女医なんだかナース服なんだかを着込んだ女子高生の部活みたいな話と想像できました。「国内初!青春期生理健康題材ライトノベル」というキャッチコピーがピンクの女医服のお姉さんの絵の横についているのが笑えます。ピンク色のハートマークの下には「火力満載」の煽り文字も。
 
 
(『V++青春期生理研究社』)

イケメンの死神が出て来る(らしい)『絶地魔師』であるとか、学校で権力闘争している(らしい)『皇帝的学園』だとか、元特殊工作員の女性私立探偵(らしい)の話(らしい)『没有身体的女人』、霊能力者の探偵(らしい)が死んだ作家(らしい)から捜査依頼を受ける(らしい)『失踪的被害人与幽霊作家』など、見ていて楽しいんですが、中国語が読めないもので「らしい」という推測ばかりになりました。
 
(『絶地魔師』)
 
(『皇帝的学園』)
 
(『失踪的被害人与幽霊作家』)
(『没有身体的女人』)
面白いのは、「重小説」と銘打った『古北口莫入』。合理主義の理屈屋(らしい)と、不思議大好きの天然呆け(らしい)の二人組の女の子の冒険小説の様なんですが、なんでこれが「重い」のか。ライトノベルとは一線を画した正統的少年文学ってことなんでしょうか?
(『古北口莫入』)
(唯一の翻訳ライトノベル『灼眼のシャナ』)
こうした小説の他、作家の先生方からの短信、フィギュア等の関連グッズ販売、新人賞の募集などの定番誌面が続いていました。これを見ながら知ったのですが、今や角川は台湾と中国とをまとめて新人賞公募をかけているんですね。政治統合の先を行って、ライトノベル界は中台の統合を果たしてしまっているのです。それから、2000字のショート投稿欄というのもあって、指導評も掲載されていました。新人育成に余念がありません。
  
(台湾と中国本土統一選考が公示された新人賞のお知らせ)
それはともかくも、この雑誌を見ている限り、ライトノベルの「現地化」が随分進んでいる感じですが、「外来の文化が現地化した」と見るには少し迅速な進行のように思えます。元々、若年者向け小説がある程度流通していたところに新しいスタイルが導入されて、それに染まった作品が書かれるようになったと見る方が妥当なような気がするのです。次回は、その辺りの話を書くことになると思います。
(報告 太田)
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