ラノベ史探訪(10)-「帯」をめぐる冒険

書店の平台に並ぶ、目にも鮮やかなライトノベルの新刊たち。最初に目に飛び込んでくるのは表紙を飾る美麗なイラストと個性的なタイトル。知らない作家の作品であれば、「まずはジャケ買いして読んでみようかなぁ~」と、気に入った作品を手に取りレジへと歩みを進めていく…。

というような経験は、身に覚えのある方が結構多いのではないでしょうか。「ああ、あるある~」と頷いて下さった方、ありがとうございます。しかし、実は上の例では新刊につきものの「ある要素」が抜けているのですが、お気づきでしょうか?「平台に並べられたライトノベルの新刊」を見て「最初に目に飛び込んでくるもの」…イラストとタイトル以外で表紙の一部を占有している代物といえば、そう「」です。ライトノベル(に限らず書籍全般)の新刊には、表紙に帯が付けられている場合がほとんどでしょう。読者に新刊をアピールするため、目に付くキャッチコピーや著名人の推薦文、受賞歴やランキング、アニメ化やゲーム化の告知など、帯には実に様々な情報が記載されています。この帯を判断材料のひとつに据えて、ストーリーや世界観、登場するキャラクターを思い浮かべ、新刊を買うか否かを判断する機会は決して少なくないと思います。

(櫂末高彰『学校の階段』 ファミ通文庫)

(佐島勤『魔法科高校の劣等生 入学編〈上〉』 電撃文庫)

(アサウラ『ベン・トー5 北海道産炭火焼秋鮭弁当285円』 集英社SD文庫)

(渡航『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。』 小学館ガガガ文庫)

特にライトノベルの場合、毎月バリエーション豊かな作品が多数刊行されるためか、平台で他作品との差異化を図る個性的な帯が多い…というのは完全に私見ですが、このあたり皆様はどうお考えでしょうか?

(葵せきな『生徒会の二心』 富士見ファンタジア文庫)

(かじいたかし『僕の妹は漢字が読める』 HJ文庫)

(伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 電撃文庫)

(野村美月『〝若紫〟ヒカルが地球にいたころ……』 ファミ通文庫)

ここで、以前「新刊案内の小冊子」を話題にした時と同じ質問になりますが…あなたならこの帯、保管しておきますか?それとも捨ててしまいますか?正直、帯が付いたままだと読みづらいと感じることもあるので、読みやすさ重視の方は捨ててしまうことが多いかもしれません。一方、キチンと折りたたんでページに挟んでおく方、付けたまま破れないよう大事に保管しておく方もいらっしゃるでしょう。

もし手元に帯が残っていたなら、モノによっては後々貴重な資料となり得る場合があります。作品が刊行された当時、どんな作品として宣伝され、どんな商品展開(フェア・アニメ化・映画化など)が行われ、どんな評価(作家のコメント・新人賞受賞など)をされたのかなどなど、帯から得られる情報は意外に多いですし、帯でしか確認できない情報というものもあります。そのため私の場合は、帯をひとつの資料として出来る限り残すようにしています。もちろん新刊案内以上に消耗品で、フェアやメディアミックス展開に合わせてめまぐるしく変わるのが帯ですので、その全てを集めてなどというのは物理的に不可能なのですが…。過去作品の帯に至っては「出会えたら運が良い」というレベルです。

(新井素子『星へ行く船』 集英社コバルト文庫 1981年初版)

(ソノラマ文庫の笹本祐一作品に付けられた帯(『妖精作戦』1990年第20版より))

(松枝蔵人『聖エルザクルセイダーズ 集結!』 角川文庫 1988年初版 )

(上遠野浩平『ブギーポップは笑わない』 電撃文庫 1998年再販 電撃大賞の選評)

(『ネコのおと リレーノベル・ラブバージョン』 富士見ミステリー文庫 2006年)

これを機会にあなたの手元にある帯を、あらためて見返してみてはいかがでしょうか?もしかしたら、今まで気がつかなかった魅力ある帯、貴重な帯が色々と見つかるかもしれません。

*〈おまけ〉*
作品の壁を越えた2大ヒロインまさかの共演!?さあ、あなたならどちらを嫁に選びますか?
(『早瀬美沙 白い記憶』 アニメージュ文庫 1984年初版)

【文責:山中】

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